周りを見渡すと今日も私しかいなくなっていた。
みんな、あの子達がくるとどっか行っちゃうんだよなあ…。


まだ閉まる時間じゃないのに…。
貴重だし、もったいないから、もう少し見つめていよう。


ふと、先輩が本から顔をあげた。 
その視線は私に向けられていた。



「っ!!」



驚きと歓喜でつい立ち上がってしまった。私はおそらく真っ赤であろう顔を押さえながら俯いた。