「先輩っ。俺の彼女にちょっかい出すの、やめてくれません?」
甘い香りと聞いたことのある声。
ああそうだ。これは、雨森センのものだ。
目を開けてわたしの右側を確認すると隣に立つ雨森がいた。
「えっ、ええっ! 千早ちゃん、彼氏いたの!? そんな素振りなんかちっとも…」
オーバーリアクションで驚くタケル先輩。
しかしそんなことよりも気になるのは
どうやって辻褄を合わせるか。
わたしと雨森はもちろん付き合っていないわけで。
ってか、そもそもわたしに彼氏はいないし! 悔しいけど!
チラリと隣を見ると『話を合わせておけ!』、と雨森の目が語っていた。

