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『茜、親でも勝手に部屋に入られるとマジギレするから、俺の部屋で待ってて』
雨森はわたしにそう告げると部屋を出て行った。
そして彼の部屋にぽつねんと残されたわたし。
…なんてシュールな……。
雨森の部屋は、雨森らしかった。
個性的な色をした家具に、数台のギター。
…いや。
よくあるエロ本探し、なんてそんな野蛮なことしませんよ? わたしは。
興味が全くないと言ったら嘘になるけど、悪趣味なことしないもん。
一応、彼はお姫様のお兄ちゃんなんだから。
「藤村ー! 茜帰ってきたから部屋行って!」
「はーい!」
ほどなくして、部屋の外から聞こえた雨森の声。
ノックをしてから部屋に入ると、いつもと変わらずお姫様な茜ちゃんがいた。

