「…グズッ……。陸のバーカ。変態。おっぱい大好き星人」
本人がいないところで意味のない悪態をついてみたり。
でも、涙は止まらない。
あーあ。
このまま雪に埋もれてしまいたいな。
「おい、藤村千早」
雪の振る、静かな世界に突然聞こえたわたしの名前を呼ぶ声。
顔を上げると…。
「茜ちゃ…」
そこには、少し不機嫌そうな顔をしたお姫様の姿があった。
「岩石がほんとに石になってどーすんの? ひどい顔だよ、千早ちゃん」
またいつものようにわたしのことを貶すと、しゃがんでわたしに視線を合わせてくれた。
真っ白な息を吐く茜ちゃんは鼻を赤くしていたけど、それでもやっぱり美しいお姫様だった。
『なんでここに?』
そう言いたいのに、寒さと涙とで舌が回らなかった。

