まあ、もうかなり積もってるし今更っちゃー今更なんだけどね。
でも、こんなことがない限りめったに部活は中止にならないからちょっと得した気分。
雪合戦でもしたいなあ。
…って、子どもかっ!
「ってことで千早ちゃん。一緒に帰ろう」
愛くるしい瞳を輝かせ、はーちゃんがわたしを見る。
ううっ、この顔を見ちゃうと断りにくいなあ。
「ごめん、はーちゃん! 今日はパス!」
わたしは顔の前でパシンと手を合わせ腰を90°に曲げた。
「チェッ。千早ちゃんのマフラー拝借しようと思ったのに。
どうせ名取くんでしょ。ちゃんと送ってもらいなよー?」
「ありがとうはーちゃん! 埋め合わせはちゃんとする!」
最近はお姫様修行で陸と一緒に帰れなかったから、今日くらいは、ね。