わたしは茜ちゃんに背中をグイグイ押され、乱暴に彼女の部屋に連れて行かれた。
茜ちゃんが雨森の妹で、
雨森が茜ちゃんのお兄ちゃん?
あ、茜ちゃんも名字は雨森か。
てか、茜ちゃんの名字知らなかったし!
表札出てないんだもん!
気づくわけないじゃん!
「お兄ちゃん、千早ちゃんに“イギリスの血が騒ぐ”とか言ってなかった?」
「そういえば…」
確か、雨森に傘を借りた日に聞いたんだ。
そうか、茜ちゃんと話したことがあったから引っ掛かったんだ。
「あああ、雨森に挨拶しなきゃ」
「千早ちゃん落ち着いて。お兄ちゃんは今バイトに行ってるから」
「そ、そっか。なら仕方ないね」
そういえば、ギターやらを買うためにバイトしてるって言ってたっけ。
なんだ。
最初は“クソ兄貴”だなんて言ったけど、“お兄ちゃん”って呼んでいるみたいだし、なんだかんだで仲良しじゃん。
左耳の2つのピアスも兄妹でお揃いだと考えると、茜ちゃんのあの動揺っぷりも納得だ。
…兄妹愛だね。

