「さんむぅ~っ!」




今日は茜ちゃんとお姫様修行の日。


茜ちゃんはなぜか超ご機嫌で、わたしの家まで迎えに来てくれた。


わたしは防寒を優先してセーターと長ズボンにマフラーぐるぐる巻き。


茜ちゃんはいつものロリータのお洋服から生足を惜しみなく覗かせている。


こんなに寒いのに鳥肌一つ立っていない。

尊敬します、師匠様!




「あのさ、千早ちゃん。いくらあたしといるからってそんなにオヤジみたいな声出さない方がいいんじゃない?」


「だって寒いんだもん」


陸も好きだけど、やっぱり寒いからさァ。


「だってじゃないよ! 本気でお姫様になりたいんだったら、常に隣に名取くんがいると思わなきゃ」


「うっ…。すみません、師匠様」


「わかればいいんだよ」




茜ちゃんがにっこり笑うと、茜ちゃんのお家に着いた。