「セン! こんな所にいたのかよ。俺ら帰るけどどうする?」
わたしの思考を遮るように、誰かが雨森に話しかけた。
「モモ先輩! 俺も帰ります!」
え、モモ先輩って男!?
ずっと女の先輩なんだと勘違いしてた…。
なんか安心した。
…って、え! 何で安心してんのさ、わたし!
たるんでるぞ、千早!
気合いだ!
わたしは両頬をパチンと叩いた。
「じゃーな藤村。俺帰るわ!」
「うん、また明日」
「バイバイ、藤村ちゃん」
ふ、藤村ちゃん?
モモ先輩って面白い人なんだなぁ。
「ふふっ。さよなら、モモ先輩」
わたしはふたつの背中に手を振り、再び外を見た。
雨脚は強くなるばかり。
さて、どうやって帰ろうか。
早くしないと学校が閉まっちゃうなあ。

