「…藤村?」


「あ。」


声をかけられ振り向くと、そこにはギターケースを背負った変態ギタリスト・雨森の姿が。




「今日はギターの日なんだ」


「おぅ。てか藤村さァ、毎度のことだけどその“ギターの日”ってどーにかならないの?
確かに俺はギターを弾くけど今日は“バンド練習の日”だから!」


「あーそうか。ごめん」


「わかればいいんだよ」


週に1回しかない貴重なバンド練習なのはわかるけど、多分わたしは来週また同じことを言うと思うよ。


頭の悪い隣人でごめんね、雨森。




「バンドの練習にしてはずいぶん遅くまでやってたんだね」


「ああ。OBが遊びに来ててさ。ワイワイしてたんだ」




雨森は頬を緩め、ウキウキしている。


モモ先輩に会えたのかな。