「やっぱわたし、陸のこと好きだわ」
「………」
陸の手が止まった。
「陸がわたしのことをふったのを後悔するくらい、イイ女になるから。見てて」
「…おぅ」
絶対、イイ女になるんだから。
陸が『頼むから俺と付き合ってくれ!』って泣いて頼んでくるくらいのイイ女に。
でも、それにはやっぱり胸は必要なのだろうか。
もう17歳になってしまったけど、胸に成長の余地はあるのだろうか。
もう身長はいらないから、その分を胸にまわすことはできないのかな。
あんまり大きいと走りにくいけど、多少の膨らみは欲しいよね、女として。
「おら、さっさと走ってこい!」
「痛っ!」
バシンと廊下にいい音を響かせ陸はわたしの背中を両手で叩いた。
よし。気合い入った!
岩石もとい、
原石もとい、
宝石もとい、
藤村千早、乙女街道を全速力で走ります!