「えっ! 名取くんに振られたけど、他校の陸部の先輩に告られたァ!?」


「しーっ! 声大きいよはーちゃん!」




高校でのお昼休み。


毎朝のハードな練習で常に腹ペコなわたしにとって、このお弁当タイムは至福の時。


それをぶち壊しているのは、目の前にいる、
“はーちゃん”こと親友の坂田葉月(さかたはづき)。


ふわふわおっとりの天然さんで、茜ちゃんとは全く違うタイプのお姫様みたいな子だ。




もちろん、超絶美人のドSお姫様と知り合ったことは言えるわけはないけれど、
ここ最近のことをダイジェストにして報告したらこんなことになってしまった…。


今の声じゃ、絶対クラスの人全員に聞かれたよね…?


お…オワタ……。




「ご、ごめん。びっくりしちゃって。珍しくない? 千早ちゃんが男の人からアプローチされるなんて」


「珍しいというか、生まれて初めてだよ…」




そうなんです。岩石ちゃんは、必死に原石になろうとしたらまさかの殿方に告白をされてしまいました。


どうした岩石。岩石にモテ期が来たぞ。