「ご褒美が欲しいなあ、千早ちゃん」
「ん?」
ご褒美ですと?
普通、逆じゃないかい? 茜ちゃん。
自分で言うのもあれだけど、頑張ったのはわたしだよ?
わたしの師匠になってくれた茜ちゃんにはとっても感謝してるけど、ご褒美はわたしが欲しいくらいだよ。
「だって、ほら。あたしは岩石を磨いて原石にしてあげたんだし。あとは千早ちゃん次第で宝石にもなれるんだし」
「うぅ…」
い、言い返せない…。
千早ちゃんがいなかったら今頃わたしは岩石として道端に転がって、知らない誰かに蹴られていたかもしれない。
原石なんて夢。宝石なんて夢のまた夢。
「じゃあ、何がいい?」
「ココ」
人差し指でわたしの唇に触れる茜ちゃん。
ちょっとドキッとしたのは、絶対に気のせい。
「ココ?」
「あたし、千早ちゃんの唇にキスしたい」

