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「できました」
メイクを終え、道具をドレッサーに置いてからそっと茜ちゃんの方に振り返った。
茜ちゃんの、女王様みたいな蔑むような目を想像すると顔はあげられなかった。
でもわたしは、
茜ちゃんに教えてもらったこと。
雑誌を見ながら勉強したこと。
すべてを自分の顔にぶつけた。
少しも自信はないけど、顔をそっとあげた。
そこにはやっぱり茜ちゃんのわたしを蔑むような目。
ああ、終わった。
このまま顔のことをけなされてしまうんだろうな。
このあとの展開を考えていたそのときだった。
「千早ちゃん…! どうしよう、めっちゃかわいいっ!」
「ぬわっ」
茜ちゃんは座っていた椅子を倒しそうな勢いで立ち上がり、そのままわたしに抱きついてきたのだ。

