茜ちゃんはわたしをドレッサーに案内すると、近くにある椅子に腰をかけた。
また、例のごとくわたしに見せつけるように長い脚を組んだ。
「ん」
「…ん?」
『早くやりなさいよ』とでも言うように、顎で指示する茜ちゃん。
茜ちゃんがわたしを凝視しているんですが。
ホワイ? なぜ?
そんなに見ても、何も出ませんよー。
「な、なんでそんなにわたしを見てるのかな」
「千早ちゃんを見てるんじゃなくて、どっちかと言うとプロセスが見たいの、あはっ」
「恥ずかしいから向こう見て欲しいなぁ~」
見るのが例えプロセスでも、そんなに凝視されたらできるものもできなくなるよ。
「………」
無言の圧力ってやつですか、茜ちゃん。
お姫様もそんな顔するのね。
女王様みたいな顔。
あ、そうだった。茜って女王様だっけ。
どうせわたしは女王様に逆らえない善良な市民ですから。
仕方あるまい。
刺さりそうな視線を感じながらわたしは化粧ポーチを開いたのだった。
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