わたしは部活をサボって放課後の屋上に来た。


いつも頑張って走っているんかだら、今日くらい…いいよね?




「ハァ…」


ため息が、ひとつ落ちた。


わたしは茜色に染まる西の空を見ながらフェンスに寄りかかり、ぼんやりしていた。


…なんて、ロマンチックなこと、あるわけないじゃん。


季節は冬。

日はとっくに落ちてあたりは真っ暗。


屋上のフェンスは緑色の塗装が剥がれ落ち、錆びだらけ。

だからわたしは屋上のど真ん中で、

照明で白く浮かび上がった校庭を走る仲間をなんとなく見ていた。




そんなわたしの

ため息の原因になった事件が起きたのは数分前のことです。