「女の子の望み通りにかわいく変身させてあげたいのはやまやまだけど、
いくら望みでも似合わないメイクをして台無しにするのは嫌なの」
「さ、さいですか…」
ふわふわのスカートから覗く長く美しい脚をわたしに見せつけるように組む茜ちゃん。
格好はお姫様だけど、今の茜ちゃんは女王様にしか見えない。
今すぐその服を脱いで真っ黒なピチッとしたあの衣装を着ていただきたい。
ドSのお姉さんが着ているアレを着ていただきたいわわ。
このまま『黙れメス豚』とか素で言っちゃいそうだよ。
お姫様の口からそんな卑劣な言葉が飛び出てきたら、色んな意味で面白いかも。
全然笑えないだろうけど、ね。
「言っておくけどあたし、こう見えてスパルタだからよろしくねっ」
茜ちゃんはピースをしながらとびきりの笑顔でこう言った。
やっぱりわたしは、生きて帰れないかもしれません…。