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千早が俺の手を握るそれに力を込めた。
チラッと彼女の顔を見ると、なにやら物憂げな表情。
そんな顔もかわいいけど、これはきっと何か考えている表情だ。
「ん? まだ気になることでもあんのか? あっ、心臓に悪い冗談はやめろよな」
目から千早好き好きビームを出していつも千早にアピールしているのに、恥ずかしがってなかなか受け入れてくれないからな、俺の彼女は。
冗談言うなら面白い冗談を言えよなっ。
「あのね、セン。勘違いして、ごめんね」
「………いきなりどうしたお前」
びっっっっくりした。
千早が素直に謝った。これは、夢か?
いつも素直じゃない千早が謝るだなんて、国宝級だ。
「何か悪いモンでも食ったのか?」
「バカっ。モモ先輩から聞いたんだよ、魚住さんと、その…王子様のこと」
「そう…、だったのか」

