「やだな、千早ちゃん。この世界にお姫様はふたりもいらないじゃん」
にっこりかわいい笑顔でお姫様とは思えない発言をするお姫様、茜ちゃん。
わたし、時々茜ちゃんがわからなくなるよ…。
出会って数時間だし、時々なんて言えないけどさァ。
「千早ちゃんはこっち」と渡した雑誌を茜ちゃんがめくり、あるページをわたしに見せた。
「…ゴスロリ?」
「そう。千早ちゃんは美人さんだけど、ロリータのメイクは似合わないよ。さすがにあたしもこれはどうにもできない」
「で、でも…」
「あの男をギャフンと言わせるんじゃないの?」
陸を振り向かせたいとは言ったけど、そこまでは言ってないよ、茜ちゃん。
「とにかく、お姫様はふたりもいらないし、千早ちゃんの顔なら絶対ゴスロリの方が似合う」
な、何なんだこのめちゃくちゃ毒を吐くお姫様。
初対面なのに、わたしの顔を貶してくるんだけど!
た、助けて…。ヘルプミー!

