「俺たち“フィッシュアウト”の面倒みてくれてるんだよ。後輩指導を兼ねて麻衣子と次のライブの打ち合わせをしに来たんだ」
「ちなみに俺、フィッシュアウトのリーダーね」とモモ先輩は笑った。
「か、彼女なら、センと一緒にいるんじゃないですかっ」
「えー、センのヤツ、彼女のことほったらかして麻衣子といるの?」
「わたし、浮気されたんです」
「それって、センに?」
「はい」
「相手は麻衣子ってこと?」
わたしはコクコクとか2回うなずくと、モモ先輩は「ブッ」と吹き出した。
ちょ、汚いって、モモ先輩。
そしてわたし失礼だよ、モモ先輩。
こっちは浮気されて大ダメージなんだから。
「麻衣子が浮気ぃ? ないない、絶対ない。あいつには王子様がいるし、王子様大好きだし。
やっと掴んだ幸せを、自分から手離すよーなことはしない子だよ」
「王子様…」
一瞬金髪のカボチャパンツが思い浮かんだ。
じゃなくて!
センの浮気はわたしの勘違いだったってこと!?
それなのにわたしは一方的にプンスカ怒ってしまった。
ああああ、ごめん、セン。
わたしのヤキモチが過ぎたみたいだわっ。
「モモ先輩っ、ありがとう! さようなら!!」
「ああ、待って、ちょっとは勧誘させてよ、俺らのファンになってよ!」
わたしはモモ先輩を無視して走った。
部活に行かないと顧問と部長に叱られるけど、それより先にセンに会いたい。
怒ってごめんね、浮気を疑ってごめんね。
今日は出血大サービスで、かなり恥ずかしいけどわたしからキスしてあげるから、許してね。
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