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「あれ、藤村ちゃん?」
放課後。リュックを背負って部活へ向かおうとすると、後ろから知らない声がわたしを呼んだ。
振り向くと、やっぱり知らない人。
「藤村ちゃん、俺だって、モモっ!」
「…あ、美容室のモモ先輩!」
「ピンポーン!」
モモ先輩。
本名は知らないけど、モモ先輩。
東高のOB。元軽音部の名物ドラマー。センの先輩。お家はセン行きつけの美容室。
会うのはこれで2回目だけど、目立った特徴もないわたしの顔を覚えているなんて。
何か特別な修行でも積んだのかな…。
「藤村ちゃん、ウチの麻衣子がどこにいるか知らない?」
「“ウチの”麻衣子…?」
「魚住麻衣子。ウチのバンドのスタッフだよ。藤村ちゃんと同じ学年だけど、こんだけ人数いれば知らないかぁ~」
「バンドのスタッフ…?」
な、何だそれは…。
魚住さんて、清楚そうに見えてめちゃくちゃヤバい人だったりするの?
軽音部じゃないのにバンドマンと繋がるコネが、どこに転がっているんだろうか。
バンドマンキラーってやつ…?

