「ちょっと! どこ触ってんの!? 外なんだからやめてよっ」
「あ、じんましん出てる~。かわいい」
「見ないで、恥ずかしい!」
「かわいいから見せてよ。って、ちょっと千早!」
こうなったら、逃げるしかない!
わたしたちのデートの定番になりつつある広い公園(雨森はやたらわたしをお家デートに誘うけど、魂胆が丸見えだから避けている)を駆け回る。
「クソッ。体力持たねー!」と後ろで雨森が音をあげるのが聞こえると、わたしは勝ったとばかりにニヤリと笑い、スピードをあげる。
わたしの“お姫様街道”はまだまだ続きます。
わたしの王子様と一緒に、ね?
たくさんの愛の言葉を囁いてくれるわたしの王子様。
恥ずかしいけど、わたしも言ってみようと思うの。
振り向いて、すっかり小さくなった遠くの彼を見てからスウッと息を吸った。
「センー!」
「なんだー!」
「大好き!」
─END─