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かくして、わたしの“乙女街道”は“お姫様街道”に変わったわけでありますが…。
「千早」
「ん?」
「…好き。」
「ハイハイ。今日13回目ね」
イギリス人のお父様譲りと思われる、雨森の愛情表現とスキンシップの多さに参っています。
少ないよりは多い方がいいけど、多すぎはダメ。甘過ぎて、こっちの心臓が持たない。
「お触りしたいっ」
「…少しだけなら、いいよ」
アレルギーは相変わらずで、好きな雨森でもわたしに触ればじんましんがゾワァです。
でも、少し快方には向かいつつあるみたい。
雨森の溢れんばかりの愛情表現のおかげか、昔に負った心の傷も癒えてきたのかな。
それから、付き合ってから知ったのだけど、雨森はかなりのヤキモチ妬き。
男性アレルギーが軽減しつつある今、脅威や畏怖の対象から外れるのは、雨森だけじゃない。
少しの接触なら男子ともできるようになったからか、雨森はわたしの周りにいる男子を警戒する。
わたしの気持ちは、雨森にしか向いてないのにね。
あと、“メイク禁止令”が出た。
…わたしがメイクすると100倍かわいくなるという、なんともリアクションを取りにくい理由で。
だから、周りがわたしのことをどう思おうと、雨森しか見えてないってば。
とにかく、雨森はわたしの“素”にこだわる。
メイクもおしゃれも、無理して自分の系統じゃないのをするよりか、そのままのわたしでいて欲しいんだって。
…なにこの溺愛っぷり。
今までひたすら非モテの人生を歩んできたから、正直戸惑いしかない。
──…って。

