「そのままの藤村で十分魅力的なのに、名取のために努力して、変わって、それなのにふられて。
そんな藤村を見てたら知らない間にもっと惹かれてた。そんで、俺なら悲しませないのにって思うようになった」
「ねぇ、やっぱわたしのことけなしてるでしょ」
「いや、むしろほめてるつもりなんだけど? 今だって、すっぴんの方がかわいいって思ってるしな。
まあ、とりあえず黙って聞いとけ」
雨森は若干キレ気味にそう言うと、「よっこら」と言ってわたしの隣に腰をおろした。
「ち、近くないですか…」
「気のせい気のせい~」
何が気のせいよ! めちゃくちゃ近いじゃない!
下手に動けないっ…。動いたら、例のブツがぁっ!
プリンのにおいじゃない、雨森の香水のにおいが鼻をくすぐる。あれ、動悸がしてきた。
雨森のことが好きだと自覚してから初めてこんなに接近するからかな。心臓がバクバクいってる!

