数分後、無事に目的地の雨森家に着いてインターホンを鳴らすと、驚いた顔をした雨森が出て来た。
「こっ、こんばんは。えと、あの…。そのですね」
言うべきことはわかっているのに、いざ本人を目の前にすると頭の中は真っ白だ。
陸上の大会でもこんなに緊張しないよ。
陸に告白したときよりも、ずっと緊張してる。
17年の人生で、一番緊張しているかもしれない。
「ブッ、すっぴん。コートの下は部屋着と見た。寒いだろ? 上がれば?」
「む…」
「んな警戒するなって。何もしないから。俺も話したいことがあるし」
「お、おじゃまします…」
「どーぞ」
家にあがるとそのまま彼の部屋に通された。
これで雨森の部屋に入るのは3回目だ。
必要最低限の家具しかない、シンプルな部屋。
とてもじゃないけど、部屋をこてこてのピンクの家具で統一している茜ちゃんと同一人物とは思えないなあ。

