「…あ。」
走りながら、とんでもないことに気づいてしまった。
できることなら、気づきたくなかったよ。
「すっぴんだ…。しかもがっつり部屋着……」
ああ、嫌だ。
これから一世一代の告白をしにいくと言うのに、こんな格好をしているなんて。
ただでさえ、女の子らしい見た目じゃないのに。
雨森には少しでもよく見られたいのに。
雨森に頑張られると、わたし以上にかわいくなっちゃうし。
そしたらわたしなんか、岩石だし。道端の石ころ以下だし。
いや、今更わたしがどうあがいても“茜ちゃん”に敵うわけがないもの。そんなの、わかりきっていることじゃないか。
それに、今からメイクを始めたら雨森の家に着くのがもっと遅くになっちゃう。
早く、会いたい。
ええい、この際このまま乗り込んじゃおう!

