雨森には、ドキドキする。
でも、陸には…?
階段から落ちそうになったわたしを引き上げてくれた陸に、恋に落ちた。
触れてもじんましんが出なかった陸を、本気で運命の王子様だと思った。
…はずなんだけど。
つまりそれも助けてもらったというフィルター越しに陸を見ていただけで、
ちっとも陸のことは好きじゃなかった…ってこと、だよね?
「えっ、えっ、ええええええ!?」
「やっと気づいたみたいだね。今まで千早ちゃんが見て来た王子様は幻想だったんだよ」
「ばかだね、わたし」
「うん。ほんとばか。単純過ぎてうらやましいくらいだよ」
いやぁ、照れるよ。
普段は足以外のことはめったにほめられないから、照れちゃうなあ。

