「なんだ、はーちゃんか」
振り返って後ろを見ると、かわいらしいスクールバッグを持ったはーちゃんがいた。
「『なんだ』とは失礼な。体調はもう大丈…」
「あっ! いいこと思いついた!」
教室に行かなければ、雨森に会うことはない。
それなら、授業をサボるまでよっ!
「はーちゃん、授業サボろう!」
「えっ、ちょ、千早ちゃん!? 待ってよ!」
はーちゃんの答えは聞かずに向かうは屋上! …適当な空き教室。
だって、寒いですもん。
こんな寒い中屋上だなんて、無理がありますもん。
「…で? 今日は1限から体育があるのに体育大好きっ子の千早ちゃんがサボるなんて、何かあったんでしょ?」
「はい…葉月様」