──『何で好きな子が他の男に傷つけられてるのをこんな近くで見てなきゃいけないんだよ』


──『好きな子のじんましんくらいで引くかよ』


繰り返される、雨森の言葉。


…“好きな子”って、わたし!?


キスまでされておいて気づかないとか、わたしがこんなに鈍感だなんて知らなかったよ。


どうしよう。


タケル先輩に告白されたときとは違う感覚。


隣人として、茜ちゃんの友達として雨森のことはよく知っているから、気持ちがまっすぐ伝わって来るような…そんな感覚。


いやいや。でも、わたしは陸一筋。


…な、はずなのに。


陸のことを考えるより、

雨森のことを考える方が

胸がドキドキして、体が熱くなるのは…どうして?




きっと、熱のせい…だよね?