顔を上げた雨森は、ちょっぴり涙目だった。
視線が絡む。
先に目を反らしたのは、わたしだった。
「大丈夫。俺が好きな子のじんましんくらいで引くかよ」
雨森はわたしが今一番気にしていることに触れ、さらりと爆弾発言を投下した。
──好きな子…?
いかんいかん!
わたしは自分に喝を入れるつもりでパチンと自分の頬を叩いた。
「今の藤村に、俺がとやかく言い訳みたいなことを言う権利はないってわかってる。
けど、俺の、藤村に対する気持ちに嘘偽りは一切ないから」
雨森の普段からは考えられない真剣な眼差しに、わたしは唖然とするしかなかった。
雨森はそんなわたしを見て柔らかく笑うと、「じゃあな、学校で待ってる」と言って帰っていった。

