「っ、頭いたーい!」
意識が覚醒すると共に体の感覚が敏感になっていく。
一晩中考え事をしていた頭は痛みを訴えていた。
どれもこれも、変態紳士兼、変態ギタリストの雨森センのせいだ。
バーカ、バーカ…。
──コンコンッ
「千早ー? 学校行けるの?」
部屋のドアがノックされると聞こえた母親の声。
お母さんの声聞くの、3日ぶりだなあ。
出て行った父親のかわりに娘3人を養うために昼夜兼行で働き続けるお母さん。
生活リズムがわたしたちとは違うから、なかなか会えないのだ。
きっとお母さんは、妹からわたしの体調のことを聞いたのだろう。
心配して、様子を見に来てくれたみたい。