疾走☆ラビリンス~曖昧な三角関係~(おまけSS更新中)



「…千早ちゃん」




あまりにも茜ちゃんがわたしの名前を切なそうに呼ぶから。


涙が乾かないうちにわたしは振り返った。


それはまるで、スローモーションの世界みたいだった。


茜ちゃんのきれいな顔が、こっちに近づいてくる。


次の瞬間、わたしの唇に茜ちゃんの唇が静かに重なった。




「え…」




いつもみたいに、『百合じゃん!』とかそんなアホみたいなことはちっとも考えられなかった。


だってこれは、わたしのファーストキス。


それがいとも簡単に、お姫様が奪ってしまったから。


だって普通お姫様は、唇は奪われる側でしょう?


キスの余韻に浸ることなく、茜ちゃんはむくりと立ち上がって
しゃがみこむわたしを見おろした。