宿題を終わらせ、私は田中さんに送ってもらい、ピアノ教室に来た。

世界的にも有名な先生がいるからか、私の通っているピアノ教室は人数が少ない。

入所するときに、必ずオーディションがあるの。

先生がこの子は大丈夫だと思った人しか、入れないと少し変わった教室。

でも、腕は確かよ。

人数が少ないから、3.4人を交代に見ていくの。



でも今日は少し変わっていた。


普段はみんなそれぞれのピアノに座るのに、今日はロビーに待機していた。


「どうしたの?こんなところで?」


「なんでも、新しい人が入るらしわ。これからその人を紹介してくれるそうよ。」

「そうなの。珍しいわね。」

いつもは春にオーディションをするのに、今は9月。

不思議に思っていると、ガチャっと扉が開いた。

そこからは先生と...なんとも美しい男の子が入ってきた。

切れ長の目に、スッと通った鼻筋、薄い唇、180cm近いスラッとした長身、そして目を奪われるほどの、サラサラとした髪。

みんな、驚いてるわ。

こんなカッコいい人見たことないもの。