僕ノ声


-長樹ヒナ-

「ま、説明することはこのくらいかな。後は入部してからどんどん学んでいくこともあるし」

「え、僕入部するなんてまだ…!」

奈津さんが説明を終え、僕に入部手続きをさせようとしている。

「え、入んないの?」

百々さんが首を傾げる。

「あ、あの、ぼく仕事があって別に禁止されてるわけじゃないんですけど中々活動するのは難しいかと…」

「仕事のことはどーでもいーんだよ、ヒナは入部したいの?したくないの?」

絵瑠さんが乱暴に聞く。
ちょっと怖い。

「入部は…したいです…」

ここの人たち、みんな楽しそうだし、

自由に活動とかやってみたいし…

「じゃ、ヒナくんの好きなことをすればいいと思いますよ!」

後ろから聞こえた天使の声。

透き通るような甘い声に僕は思わず振り返った。

そこにいたのは僕と同じ一年生の生命。

長い足を揃え、行儀良く立ち、綺麗な瞳で真っ直ぐ僕を見つめる。

彼女の声は誰もが心を奪われる魅力的な声をしていた。

璃澄のみなさんはもう慣れてるのか普通の反応だけど、初めて彼女の声を聞いた僕は驚いて固まってしまった。

そんな僕をみて生命は

「ヒナくん?」

と僕を呼ぶ。

本当に僕の心に呼びかけているようだった。

「すごい綺麗な声だね」

「え、あ、ありがとうございます」

生命が嬉しそうに微笑む。

「さだちゃん、天使ふりまきすぎ。」

「ちょ、春人さん!」

「眠くなる…」

春人さんが生命に倒れかかる。
それを璃澄のみんなが見て笑う。
なんか、あったかいな。

「奈津さん」

「ん、なんだ?」

「僕、入部したいです。入部して、璃澄に所属したいです。」


今日から僕は璃澄のメンバーです。