進級したての慣れない教室の中で、一際目を引くものがあった。
男女に囲まれて、瞳が見えなくなるくらい目を細めて、白い歯を見せながら笑っていた君。
ワックスで軽く立てた自然な髪型も良く似合っていて、私は目が離せなかった。

あまりにも君のことを見過ぎていたせいだろうか。君が不意にこっちを向いて、視線が重なる。その瞬間、ドクンと波打つ心臓。慌てて目を逸らしたけど、心臓は落ち着いてくれなくて。鼓動がうるさくて仕方がなかった。


桜の散り終えた春、名前も知らなかった君に、生まれて初めて“一目惚れ”をしました…ー。