気まぐれな君も好きだから

それはそうだけど、別れるって評判の場所で、わざわざ乗りたくない。

さっきはあんなにカッコ良く、熱い思いを伝えてくれたのに。

まったく、こいつは。



「じゃあ、お前、沢井さんと乗ればいいのに。」

「.......え?」



笑えないこと、言わないで。

思わず、真顔になっちゃうじゃない。

何気なく発した正直な気持ちを表す一言が、心の奥で、深く深く突き刺さる。



「はははは.......嘘、嘘。ごめん! そんなこと言ったら、沢井さんに殺されるって。」

「そうだよぉ。」

「俺がそんなこと言ってたって、ぜってー言うなよ。」

「言う訳ないじゃん。」



半分本気、半分冗談。

そんな感じの渇いた笑い。

心は笑ってないのに、二人して笑顔でいるなんて、私達ってバカみたい。



泣いてる心とリンクするみたいに、また雨がポツポツ降り出した。

傘をさすか、ささないか、迷うくらいのほんの小降り。

朝からグズグズした天気だったから仕方ないけど、駅まであともうちょっとだし、今、降らなくてもいいのにな。