気まぐれな君も好きだから

終電までまだ少しだけ時間があったから、お店を出た後、駅に向かって公園の中を歩いた。

酔いなんてとっくに覚めちゃってたけど、良い酔い覚ましだなんて笑い合いながら。



もうすぐ日付けが変わる時間なのに、煌々と明りの点いた園内交番の前には、何やら人だかりが出来ている。

はなから帰る気がないのか、噴水の周りには、いちゃつくカップルも点在している。



こんな時間なのに意外と賑やかだから、もうすぐタイムリミットだなんて嘘みたい。

名残り惜しくて二人で池に沿ってゆっくり歩いていたら、動物園が見えて来た辺りで、古谷君が急に立ち止まった。



「ねぇ、あれ乗ったことある?」

「え?」

「俺さ、こういう公園で、手漕ぎのボートって乗ったことないかも。」

「私も白鳥ボートしか乗ったことない。」

「じゃあ、今度、一緒に乗ってみる?」

「いいけど、ここじゃない所にしないと。」

「なんで?」

「そこの神社に七福神の中で唯一女性の神様の弁天様が祀られてるんだけど、カップルで乗ると、ヤキモチ焼いて別れさせられちゃうんだって。」

「ふ〜ん。でも俺ら、付き合ってないから関係ないじゃん。」

「そ、それはそうだけど.......。」