気まぐれな君も好きだから

カッコ良いのは認める。

好きなのも、もう十分わかってる。

だから惑わされるし、苦しいし、私ばっかり、こんなに悩まされるのが悔しくなって来る。

酔いも手伝い、古谷君を少し困らせてみたくなる.........



「ねぇ、古谷君はなんで彼女作らないの?」

「は? お前さぁ、簡単に言うなよ。そんなの作ろうと思って出来るもんじゃないだろ?」

「古谷君なら、その気になればすぐ出来るでしょ?」

「俺にも選ぶ権利ってもんがあるの。誰でも良いって訳には行かないんだからさ。」

「でも入社してちょっとしてから、学生の時の彼女と自然消滅して以来、ずっといないよね? これだけ時間があれば、好きな人くらいはいたんじゃない?」

「..........いるよ。」



息が止まる。

自分で聞いたくせに、急にその先を聞くのが怖くなる。

古谷君と目を合わせることができなくて、両手でグラスを包み、自分を落ち着かせるように、そこへ視線を落とす。



「好きだって気が付いても、言えない相手の場合もあるだろ?」

「..........。」

「俺が好きな人は、そういう女の子なの。好きって言ったら困らせちゃうってわかってるから、絶対言わない。」

「.........。」