< 認めたくない気持ち >




店内にいると、外の天気がわからない。

だから勤務中は、雨が降り出したことを知らせる「悲しき雨音」のBGMに頼るしかない。



それが必要なのは、雨が降り始めたら、スーパーの従業員にはやるべきことが沢山あるから。

店内で言えば、銘店の進物類や、ギフト、化粧品などを買われたお客様の紙袋に上から専用ビニールをかけなくてはいけないし、入り口に傘袋を出したり、滑らないよう小まめに掃除したり、お客様は減る傾向にありながら、気を配ることは多くなる。



納品口も大忙し。

商品が積まれたカゴ車が少しでも外に出ていれば、濡れないように大急ぎで屋根の下まで引いて来なくてはならない。

大きいサイズのチラシが入っていて、特売アイテムが多い日なんかは、外に大量にカゴ車があるから、しまうスペースを作るだけでも大変な作業。

場合によっては担当部門関係無しに、社員総出で協力することになる。



そんな中、唯一、雨で売り上げが良くなるのが、我が衣料品部門の雨傘。

BGMがかかったら、普段、傘を扱っている二階の元売場以外にも、一階のレジ前と入り口付近に、ビニール傘を中心とした専用ラックを出させてもらっている。