気まぐれな君も好きだから

「歩未ちゃんは仕事できるんだから、急いで結婚なんかしなくていいの。」

「え〜、なんで? 高瀬さん。」



いきなり登場した高瀬さんに、派遣さんが不服を言う。

時計を見ると、2時を過ぎている。

出勤時間が遅い私達ノンフーズ組と違って、早朝から働いている高瀬さんは、二回目の短い休憩時間に来たのだろう。

派遣さんの茶地に、絶妙なタイミングで切り替えしてくれたのは非常に有難い。



「歩未ちゃんの彼氏もイイ男だけど、うちのハル君だって、なかなかのもんでしょう。」

「うん。ハル君、見た目も中身も可愛いし、高瀬さんの大事な息子だもんね。」

「そうよ。高瀬のおばちゃん、もう随分長く働いてるけど、あんなにイイ子、初めて。ホントに可愛い。」

「あはは........すっかりお母さんだね。」

「そう。だから、歩未ちゃん、ハル君に良くしてやってね。あの子、歩未ちゃんのこと、ホントに大好きだから。」

「え?」

「彼氏がいるんじゃ仕方ないけど、一途に歩未ちゃんのこと思ってるから、優しくしてあげて。」

「うん、もちろん。私もハル君、大好きだもん。」