気まぐれな君も好きだから

次の日、出勤すると事務所を仕切る社員の女の子に声をかけられた。



「久保さん、すいません。衣料のパートさんの契約更新の書類、不備がある人が何人かいるんで、書き直しさせて下さい。」

「あ、はい。」

「社員がちゃんとチェックしてくれないと困るんですよね。」

「そうだね。ごめんね。」



謝りながら書類を受け取りつつも、心の中で「書き直しさせる」じゃなくて「してもらう」でしょって、ツッコミを入れる。

だいたい、昨日、休みだった私に、出勤早々、そんな文句を言われてもピンと来ないんですけど。



この子、赤部さんは、ただでさえ言い方が突っけんどんでキツいのに、何かと私に対しては風当たりが強い。

彼女をよく思っていないパートさんが言うには、私が異動して来るまで、どうやら自分を店のアイドル的存在だと思っていたようで、すぐに店に溶け込んで、男性陣と仲良くしている私が気に食わないらしい。



正直、勘違いも甚だしい。

事務所の社員に、現場の人間が事務的な助けを求めるのは当たり前。

大半を占める男性社員に、次から次から話しかけられるのは、自分がモテるからだなんて本気で思ってるのかな?