気まぐれな君も好きだから

俊に対する怒りと、俊をそこまで追い込んでしまった自分への怒りが混ざって、どこにぶつけたらいいかわからず、涙がどんどん溢れて来た。

俊を追い込んだのは、間違いなく私。

どんな醜態をさらされようと、俊を攻める権利なんてない。



「許してもらえなくても仕方ないと思ってる。でも俺が愛してるのは歩未だけなんだ。」

「わかってるよ。俊がさっき言ったことも全部信じる。だって、私が悪いんだもん。」

「..........。」

「他の男の子にふらふらして、俊が一生懸命になってくれてるのに煮え切らない態度ばっかりで、いっぱい俊を苦しめてるの、本当はわかってた。ごめんね。私が悪いの。私のせいだよ。」

「そんなことないよ。」

「あるの。だって、本当は俊と別れることも考えてた。」

「..........。」

「腹が立つでしょ?信じられないでしょ?だからもう無理なの。こんなことがあった後で、俊の所に戻るなんて考えられない。」

「..........。」

「私、転職するの。もう会社で顔を合わすことも無いから大丈夫だよ。今までいっぱい苦しめてごめんね。」

「歩未、今言ったこと、全部本当なの?」

「うん。」

「..........。」

「今まで、ありがとう。」



部屋を後にしても、俊は追って来てくれなかった。

こんな結末ってあるんだろうか?



私と俊はきっと、三年もの間、最初は古谷君を介して、最後は結婚という壁を通して、無意味な我慢比べをしていたに違いない。

愛して合っていたはずなのに、本当の気持ちを隠して、顔色を伺って、素直になれなかった私達は、遅かれ早かれこうなる運命だったのかもしれない。