気まぐれな君も好きだから

「さっき、出て行った子に『忘れ物』って聞いたの?」

「いや、違うんだ。これは間違いなんだ。」

「間違ってないよ。あの子、とっても嬉しそうだったよ。」

「いい訳にしかならないって分かってる。でも聞いてくれ。これには訳があるんだ」

「どんな?」



両手でがっしり私の肩を掴んで俊は離してくれない。

真剣なのはわかるけど、そんな格好で言われても全く心に響かない。



「俺さ、歩未の考えてることが全然わからなくて、どうしたらいいいのかわからなくて、苦しくてたまらなかったんだ。」

「..........。」

「結婚してほしいって言っても喜ばないし、一人暮らし始めても興味を示さないし、やっぱり古谷のことまだ好きなのかなって嫉妬したり、もう頭がパンクしそうだった。」

「..........。」

「さっきの子は取引先の子で、飲み会がある度、相談に乗ってくれてたんだけど、昨日は俺、記憶がなくなるくらい飲んじゃったらしくて、朝、起きたら隣に寝てた。何にも覚えてないんだ。」

「..........。」

「そんな都合の良いことありえないって思ってるだろ? でも本当にそうなんだ。何にもわからないんだ。」

「そんな、そんなの...........。」