気まぐれな君も好きだから

向かう途中にも何度か電話をかけたけど、やっぱり俊は出てくれない。

ここまで来ると、具合が悪くて倒れてるんじゃないかと心配になって来る。

「大丈夫?」ってメールを送って、最寄りの駅で電車を降りた。



この前は車だったから近く感じたけど、歩くと思ったより距離がある。

家具が入ると、部屋の雰囲気も変わっちゃうのかな。

だいたいどの程度まで引っ越しが済んでるんだろう。

なんて、呑気にそんなことを考えながらアパートに辿り着き、階段を上っていくと、シャンプーの匂いがする何だか上機嫌の若い女の子とすれ違った。



彼のお家にお泊りしたのかな。

幸せそうで微笑ましい。

でも、あれ?

あの子が出てきた部屋って一番奥だったよね?

それって、俊の部屋じゃない?



いや、でも見間違いかもしれないし、俊が今、部屋にいるかどうかもわからない。

ま、いいや。

とりあえず、行ってみよう。



付き辺りまで進んで、部屋のチャイムを押してみる。

ピンポーンって音がこだましてるのに、部屋の中からは反応が無い。

何度か押しても無反応だから、試しに鍵を刺してみたら開いている?

あれ? なんで? おかしくない?

ちょっと怖いけど、とりあえず中に入ってみようかな..........