気まぐれな君も好きだから

それからまた数日が経った。

いざ退職すると決めると、やらなきゃいけないことがいろいろあって、毎日毎日忙しい。

なのに今さら衣料品部のお偉いさんが訪ねて来て、「どうして退職しようと思ったんだ」なんて言い出すから、「あなたたちのそういうところが嫌だから」って言い返したくなる。



俊にもらった鍵が気になるけど、話さなくちゃいけないことがあると思うと、何となく行きにくい。

もらった日以来、連絡を取っていないから余計に。

いろんなことで忙しいのは事実だし、もちろん遥希に迎えに来られたりすると、ついついそっちに行ってしまう私も悪い。

もしかしたら俊は、いい加減、私の様子がおかしいって思ってるんじゃないかな.......



以前の俊はどんなに忙しくても、連絡だけはマメにくれたように思う。

なのに今は遠慮をしているかのように、電話もメールも少なくなった。

慣れない一人暮らしに奮闘しているのかもしれないし、仕事が大変なのかもしれない。

何か他に理由があるのかもしれないけど、きっと一番の原因は私だ。

避けるとまでは行かなくても、結婚に全く興味を示さないし、一人暮らしにもテンションが上がらない。

愛されてないって自信をなくても、おかしくはないと思う。