気まぐれな君も好きだから

可もなく不可もないっていう感じの取り立てて特徴のないラブホテル。

選べる状況じゃないから仕方ないけど、古谷君と初めて過ごす場所なんだし、ちょっとは選びたかったな。

更に言うなら、泊まるつもりなんてなかったからカラダのケアも完璧じゃないし、いっぱい飲んじゃったからきっとお酒臭いし..........



って、何を期待してるんだか。

私達は両思いだけど、これ以上、進んじゃいけない。

でもこんな場所に朝まで二人きりでいたら、どうにかなっちゃいそうだ。

まだ部屋に入っただけなのに、もう何を話せばいいのかわからない。




「2時過ぎてるし、とりあえずシャワー浴びとこうぜ。」

「そうだね。じゃあ、先、どうぞ。」

「うん。......一緒に入る?」

「え? ちょっ、何言ってんの?」

「冗談だよ。」

「..........。」



言ってる内容はともかく、さっきまでシリアスモードだった古谷君に、いつもの悪ガキっぽい笑顔が戻っているのにホッとする。

勢いで気持ちを伝えてしまったけど、付き合いが長いだけに急に態度を変えるのは難しい。



帰りたくないとは言ってみたものの、正直、その後のことまで考えていなかった。

ただ一緒にいたい、まだ離れたくない、それだけだった。

本音を言えば、抱きしめてほしいし、キスくらいはしてほしいけど、それ以上は.......どうなんだろう。