気まぐれな君も好きだから

終電も行ってしまったし、とりあえず駅の外に出た。

古谷君は、手を繋いで私の一歩前を歩く。

思えば出会ってからずっとそうだった。

いつもマイペースでリードして、ちょっと意地悪で、優しくて、六年もの間、私をドキドキさせてくれた。



「どうしよっか。初めて降りたけど、何もないね、この駅の周り。」

「古谷君、明日も出勤なんでしょ? 寝た方がいいよね?」

「そんなんどうでもいいよ。お前と二人でいて、寝られる訳ないじゃん。」

「.......そう?」

「あ、変な意味じゃないよ。」

「わかってるよ。」



そんな会話をしながら少し歩き回ったけど、ファミレスも漫喫も見つからない。

すでに夜中の1時を過ぎてるし、勤務後にお酒がたくさん入った身体で歩き回るのにも疲れて来た。

仕方がないからカラオケかなぁ.....と思ったら、古谷君が立ち止まった。



「ここでいいだろ?」

「え?」



答える間もなく、古谷君は私の手を引いて、ラブホらしき建物に入って行く。

他に良さそうな場所も無いし、別にいいけど、少しくらいは心の準備をさせてほしいっていうか、ムードも何も無いっていうか、ドキドキするけど、ちょっと嬉しいっていうか..........

いろんな気持ちが混ざり合って、変に緊張してしまう。