気まぐれな君も好きだから

「どうして.......?」

「お前のこと、好きだから。」

「それは、言わないんじゃなかったの?」

「今、言わないと後悔する。」

「.........。」

「もう電車無くなっちゃうだろ? 誤解されたまま、帰したくない。」

「..........。」



古谷君が、おでこがくっつきそうな距離で囁く。

確かにもうすぐ終電の時間だ。

早くしないと、帰れなくなる。



いつもならここで別れて、私達はそれぞれ別の路線に乗り換える。

だけど今日は、私だってこんな気持ちのまま別れたくない。

もう少しでいいから、一緒にいたい。

どうすれば、何て言えば、離れなくても済むんだろう..........



「私も、好きだって言ったら?」

「..........。」

「帰りたくないって、言ったら?」

「..........。」



俯いたまま、涙声で問いかける。

精一杯の抵抗に、古谷君が私を見つめながら考え込んでいる。

早く何か言ってよ。

苦しくて、押し潰されそうだよ。

こんな気持ちになるのは、古谷君のせいだよ..........



「朝まで、一緒にいる。」

「..........。」

「お前のそばにいる。」

「..........。」