気まぐれな君も好きだから

一次会がお開きになった後は、展示会に行っていた衣料品部長と他のバイヤー数名も加わり、二次会のカラオケに行った。

とてもじゃないけど歌う気にはなれなくて、作り笑顔に合いの手で乗り切り、何度もトイレに立っては涙を堪えた。



俊が神戸に出張に行ってていないのが、せめてもの救い。

二次会は異様に長く感じて、「辛い」の一言じゃ言い表せないほど、胸を強く締め付けた。



それをゴマかすために、気が付かないうちに相当飲んでいたらしい。

帰りの電車で私は眠ってしまった。

乗り換え駅の一つ手前で古谷君に起こされ、そこで降りる奈々さんに半分しか開いていない目で手を振れば、後は必然的に二人きりになる。

いきなり、気まずくなる.........



「すっげー飲んでたな。大丈夫?」

「..........。」

「明日、出勤? 」

「..........。」

「何とか言えよ。怒ってんの?」

「そんなんじゃない。」

「じゃ、何?」

「.......誰のせいよ。」



そこまで言ったら、また涙が溢れて来た。

酔っ払いの涙なんて、鬱陶しい。

古谷君の前でなんか泣きたくないのに、どうすることもできない。



「もう着くよ。降りよう。」



古谷君が手を繋ぐ。

引っ張られるように降ろされ、素直になれない私は手を振りほどく。

それでも古谷君は私の腰の辺りに手を回し、背中を押して、無理矢理、壁際まで連れて行く。