気まぐれな君も好きだから

うちの店は駐車場が店舗と別になっている設計だから、お客様の車がグルグル回って屋上まで上がって来たりしない。

だから屋上と言っても低めのフェンスがついている以外は何も無くて、ガランとして殺風景。

お陰で滅多に人が来る事もないし、考え事をするのには、最適な場所だ。



いくつも並んだ巨大な室外機がブンブン大きな音を立て、ダクトからは惣菜の揚げ物と、ベーカリーのパンの臭いが漂って来る。

少し蒸し暑いけど、お店の中で完全に一人になるのは難しいから、ここで十分。

ひさしがついている風通しが良い場所に腰を降ろして、ぼ〜っと宙を見つめる。



今日は小山君がいないから、店の外には出ない方がいいだろうし.........

って、私なんて居ても居なくても、ちゃんとうちの部門は回るって、さっき思い知ったばかりなのに、変な責任感に縛られてバカみたい。



今まで周りがやらせてくれるのを良い事に、専門以外の部門も受け持たせてもらったり、マネージャーの代わりに仕切らせてもらったりして来た。

そのせいで、自分で言うのも何だけど、女性社員の中ではそこそこ仕事をこなしている方だと思っていた。

だけどそんなの自己満足に過ぎなかったのかもしれない。