気まぐれな君も好きだから

「だから、男の人出せって言ってんの。揃いも揃って、この店にいる従業員はバカなの?」

「あの、お客様.....。」

「あんたは黙ってて。」



どうしよう、店長を呼ぶしかないのかな........

たかが釣銭の勘違いでここまで騒ぎを大きくしてしまったら、買い物中の他のお客様にも迷惑だ。

内線電話をかけようと受話器を手に取った時、クレームおばさんの視線が動いた。



「ねぇ、そこのお兄さんも社員さん?」

「あ、はい。僕で宜しければ、お話伺えますか.....?」

「もちろん。ちょっと聞いてよ、この小娘、ヒドイんだから。」

「.......どのようなことでしょうか?」



嘘でしょ、 クソババァ。

あんなに怒ってたくせに、お釣りの勘違いの話は、何処に行ったのよ。

確かに私は童顔だけど、いくら何でも守井君よりキャリアが浅いようには見えないはず。

女だって言うだけで、そこまで差別する訳?



ニコニコしながら守井君に私の悪口を延々話すクレームおばさんを、パートさん達もあきれ顔で見つめている。

遠巻きに眺めている他のお客様も、明らかに引いている様子だ。

もう訳がわからない。



でもこんなに騒ぎを大きくしてしまったのは、間違いなく私の責任だ。

バカにされただけで、話も聞かせてもらえないなんて、マネージャー代行が聞いて呆れる。